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上滑りの顛末

上滑りの顛末

第10章

上滑りの顛末

漱石と競馬をめぐる一考察 横浜〜上野〜ロンドン

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 前章の論説発表の数年後。

 漱石は明治44(1911)年、「現代日本の開化」と題する講演を行う。そして明治国家の基本路線としての「文明開化」「富国強兵」政策の要となる「開化」という概念について、正面から論じた。

 そして断言する。日本の「開化」は上滑(うわすべ)りである、と。

 日本が「開化」するひとつの契機は、ペリーによる開国の要求だった。1854年、蒸気船2隻を含む軍艦7隻で横須賀沖にあらわれた"黒船"は、横浜で幕府と交渉し、日米和親条約を結ぶ。その後は冒頭の「生麦事件」などさまざまな事件が起き、明治政府が誕生するのは周知のとおりだ。漱石は語る。

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